大判例

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東京高等裁判所 昭和58年(う)1877号 判決

論旨は,要するに,人間の健康に対する大麻の毒性は煙草やアルコールより低いとすらいわれる程極めて弱く,その使用は個人の趣味,嗜好として許容されるべきものであるから,大麻の所持及び譲渡等を刑罰でもって禁止した大麻取締法は,合理的根拠に欠け,憲法13条,市民的及び政治的権利に関する国際規約17条に違反し,したがって,被告人が大麻を所持・譲渡したことについて大麻取締法違反の刑責を肯認した原判決は法令の適用を誤っている,というのである。

そこで,検討するのに,大麻が人間に及ぼす影響については未だ解明されていない点が多いとはいえ,短期的,長期的使用によって肉体的精神的に有害な影響を及ぼすものであることは,被告人らが捜査官に対し大麻使用後の肉体的精神的状況を述べたところからも容易に推認することができる。そうしてみると,国会がかかる弊害に着目し予防的見地からこれを厳しく規制することにも合理性があるというべきであり,大麻取締法が憲法13条に違反するとはいえない。したがって,また,前記国際規約条項違反を主張する所論部分は,その前提が認められないから失当である。

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